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『GOING BACK~音楽と世界~ 』#39 2022/7/30 O.A.
7月30日放送分
#39「ELVISという時代<第1回>」
第39回目のテーマは「ELVISという時代<第1回>」。今週からのテーマは「ELVISという時代」です。映画『エルヴィス』も公開されて、今話題のElvis Presley。 1960年代のロックに大きな影響を与えたElvisの50年代、60年代を駆け足で聴いていきます。
7月30日選曲リスト
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21:01 Elvis Presley “Good Rockin' Tonight”(September 1954)
Elvis Presleyがメンフィスの小さなレーベル「Sun Records」から1954年に発表した1曲。歌詞の中に【♪We're Gonna Rock, Rock, Rock〜】というフレーズがありますが、この頃はまだ「Rock」という言い方が一般的になっていない時代で、ラジオDJのAlan Freedが「Rock 'n' Roll」という言葉を使い始めた時期でもありました。
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21:06 Wynonie Harris “Good Rocking Tonight”(1947)
“Good Rockin' Tonight”は、1947年にニュー・オーリンズで Roy Brownが歌ったヴァージョンがオリジナルです。この楽曲をWynonie Harrisがカヴァーをして、ヒットを記録しています。当時は、白人が黒人のブルーズ風の歌い方をすることを受け入れない社会だったため、こうした曲を耳にしているのは黒人だけのはずでしたが…Elvisはこのレコードに注目をしていました。
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21:11 Little Junior's Blue Flames “Mystery Train”(November 1953)
Junior ParkerがLittle Junior's Blue Flamesという名義で、1953年にSun Recordsから発売した1曲です。のちに様々なミュージシャンがカヴァーをしている楽曲ですが、Elvis は1955年にカヴァーしています。この曲の他にも、Sun Recordsに所属していた約1年間で、Elvisはブラック・ミュージックの曲をいくつかカヴァーしました。
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21:14 Big Joe Turner “Shake, Rattle And Roll”(April 1954)
R&Bチャートで堂々1位を記録、Billboardのシングル・チャートでも上位にランク・インした曲です。この曲からもElvisは影響を受けていて、のちにカヴァーしています。
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21:18 The Eagles “Trying To Get To You”(1954)
The Eaglesというグループ名ですが、ロック・バンドの方ではなく、全く別のDoo-wopのバンドです。当時のElvisは、このような渋いレコードもカヴァーしていました。
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21:22 Arthur "Big Boy" Crudup “That's All Right”(1947)
Elvisのデビュー曲となった“That's All Right”のオリジナル・ヴァージョンです。このオリジナルが発売されたのは1947年で、1935年生まれのElvis は、当時まだ12歳でした。
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21:27 Elvis Presley “That's All Right”(1954)
ギタリストのScotty Moore、ベーシストのBill Blackとともに、Sun Recordsのスタジオでデモのセッションを行なっていたElvis。セッションの休憩中にElvis が遊び半分で“That's All Right”を演奏したところ、ScottyとBillもご機嫌な感じで途中参加し、コントロール・ルームでセッションを耳にした Sam Phillipsがこれを録音。するとラジオでのオンエアを通じて話題となり、急遽販売すること運びとなりました。
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21:32 Bill Monroe & His Blue Grass Boys “Blue Moon Of Kentucky”(1947)
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21:33 Elvis Presley “Blue Moon Of Kentucky”(1954)
“That's All Right”をデビュー曲として発売することが決まったElvisですが、レコードのB面に入れる楽曲が定まりません。そんな時に、ベーシストのBill Blackが、ブルーグラスの生みの親で、マンドリン奏者のBill Monroeの“Blue Moon Of Kentucky”を遊び半分で演奏を始めると、Elvisらが面白いと興味を持ち、B面に収録することが決まりました。
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21:37 Sister Rosetta Tharpe “Strange Things Happening Every Day”(1944/45)
Elvis がメンフィスで出会う黒人の歌手の一人がSister Rosetta Tharpeです。彼女は、極めてRock 'n' Rollに近いスタイルのゴスペルを歌う、当時はすごく有名な歌手でした。この曲はゴスペルと言われなければ、ほとんどRock 'n' Rollと変わらないものだと思います。
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21:43 Willie Mae 'Big Mama' Thornton “Hound Dog”(February 1953)
映画『Elvis』の中では、Elvis がB.B. KingやSister Rosetta Tharpeの他に、Big Mama Thorntonという黒人女性歌手と出会うシーンが描かれています。彼女は、 1953年にオリジナルの"Hound Dog"を発売し、R&Bチャートで長い間1位を記録していました。しかし、1953年当時のR&Bチャートは、ほとんど黒人しか聴いていないレコードだったため、リアルタイムでこのヴァージョンをElvis が知っていたかは…実際のところ分かりません。作詞・作曲は、当時19歳だったJerry Leiberと、Mike Stollerが担当しています。
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21:47 Freddie Bell & The Bell Boys “Hound Dog”(1955)
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21:49 Elvis Presley “Hound Dog”(July 1956)
ラス・ヴェガスで演奏をしていたFreddie Bellは、Big Mama Thorntonによる“Hound Dog”の歌詞を、もう少し誰にでも受けれ入れられやすい歌詞に変えた方がいいと考えてアレンジをしました。Elvis は、1956年にラス・ヴェガスでFreddie Bell & The Bell Boysが演奏をした“Hound Dog”を耳にして、自らもカヴァーすることにしました。ちなみに、Jerry LeiberとMike Stollerは、このレコードがヒットするまで、Elvis Presleyという歌手の存在を全く知らなかったそうです。
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