PROGRAM ARCHIVE番組アーカイブ
『GOING BACK~音楽と世界~ 』#8 2021/12/25 O.A.
12月25日放送分
#8「フォーク・ロックの誕生と進化-第1回」
第8回目のテーマは、「フォーク・ロックの誕生と進化<第1回>」。
先週まで2回に渡って特集した「ボブ・ディランのルーツを探して」では、ディランのデビュー当時となる1960年代の初期の音楽を聴いてきました。その後、1960年代の中頃になると、彼の影響を受けたグループがアメリカ、イギリスで、いくつか生まれてきます。1960年代の後半には、それがヒッピー文化と相まって、大きな若者のムーヴメントとなっていきます。今週から3週に渡って、その時代を象徴する「フォーク・ロック」に注目します。
12月25日選曲リスト
-
21:02 The Byrds“Mr.Tambourine Man”(April 1965)
この曲が録音された時には、まだBob Dylanのヴァージョンは出ていませんでした。独特な12弦ギターを使ったサウンドの特徴的で「フォーク・ロック」第1号として多くの人が挙げる1曲です。
-
21:07 Richie Valens “La Bamba”(October 1958)
フォーク・ロック以前にも、フォーク・ソングをロック風に演奏していた曲がありました。それが、Richie Valensのこの曲です。残念ながら彼はこの翌年、飛行機事故で亡くなりました。享年17歳。
-
21:12 The Beatles “Things We Said Today”(July 1964)
ディランとビートルズは、お互いに影響をし合っていました。ビートルズの歌詞は、ディランの影響を受けて、より深みが生まれてきました。
-
21:16 The Searchers “Needles And Pins”(January 1964)
The Beatlesに続いて、アメリカで大ヒットしたグループはThe Searchersでした。こちらも12弦ギターを効果的に使った1曲です。
-
21:19 The Seekers “I’ll Never Find Another You”(December 1964)
1964年のUKチャートで大ヒットを記録したオーストラリアのポップ・グループがThe Seekersです。まだフォーク・ロックが確立する前でしたが、限りなくフォーク・ロックに近い1曲でした。
-
21:24 The Lovin’ Spoonful “Do You Believe In Magic”(July1965)
フォーク・ロックの大きな一つのルーツは、ジャグ・バンドの存在でした。ニューヨークのEven Dozen Jug Bandの中心人物だったJohn Sebastianは、のちにThe Lovin’ Spoonfulを結成し、フォーク・ロックを目指す多くのミュージシャン達に衝撃を与えました。
-
21:27 The Lovin’ Spoonful "Wild About My Lovin'"(November 1965)
彼らのデビュー・アルバムには、色々なカヴァー曲が入っていましたが、戦前のブル-ズをカヴァーしたこの曲はまさにフォーク・ロック風でした。
-
21:31 The Mamas & The Papas “California Dreamin'”(December 1965)
元々ニューヨークで活動していたThe Mamas & The Papasは、1963年のNY寒波をきっかけにこの曲を書き下ろし、大ヒット。のちにカリフォルニアへ移住することになります。
-
21:35 Sonny & Cher “I Got You Babe”(July 1965)
Bob Dylanの「It Ain't Me, Babe」へのアンサー・ソングとしてサニー・ボノが書いた曲。 「フォーク・ロック」というと、世代によってはこの曲を連想する方も多いのではないでしょうか。
-
21:41 Davy Graham “Better Git In Your Soul”(January 1965)
アルバム『Folk, Blues & Beyond』に収録されたCharles Mingusの楽曲をカヴァーした1曲。このタイプの音楽が好きな人たちの間で話題になっていました。とにかくギターがすごく上手い人です。
-
21:45 Donovan “Catch The Wind”(March 1965)
1960年代半ば頃は、イギリスでもフォーク・ロックが注目を集めていた時期でした。Donovanのデビュー曲です。当時、Bob Dylanと同じ形の帽子をDonovan、John Lennon、そして僕もかぶっていました。
※福島県外で聴く場合は、radikoのプレミアム会員への登録が必要になります。放送後は、1週間タイムフリー機能で聴くことができます。
リスナーの皆さんからのテーマのご提案や番組の感想もお待ちしています!
『GOING BACK~音楽と世界~ 』#7 2021/12/18 O.A.
12月18日放送分
#7「ボブ・ディランのルーツを探して!-後編」
第7回目のテーマは、先週に引き続き「ボブ・ディランのルーツを探して!-後編」。
先週は「ボブ・ディランの音楽」を生んだ、育んだ音楽とは何なのか?そのルーツを探り、40年代や50年代のフォークソングや同時代を生きたシンガーなどを取り上げていきました。今週は、次第にソングライターとして注目され、 社会に大きな影響を与えていくディラン自身の楽曲までをご紹介していきます。
12月18日選曲リスト
-
21:04 Odetta “No More Auction Block For Me”(1960)
Auction Block"とは、競売台のこと。曲名には「もう二度と、私は競売台には乗りたくない」という想いが込められています。"Blowin' In The Wind"の元ネタとなった1曲。
-
21:09 Bob Dylan “Blowin'In The Wind”(June 1962)
Bob Dylan自身が歌った、音楽出版社向けのデモ音源ヴァージョンです。『The Bootleg Series Vol.9:The Witmark Demos,1962-1964』に収録されています。
-
21:14 Peter Paul & Mary “Blowin'In The Wind”(1963)
Peter Paul & Maryを結成させ、Bob DylanのマネジャーにもなったAlbert Grossmanは、この曲のデモ音源をPeter Paul & Maryに持って行き、彼らのヴァージョンが一番最初にヒットしました。
-
21:18 Paul Clayton"Who's Gonna Buy Your Ribbons(When I'm Gone)”(1959)
曲名を日本語に訳すと「私がいなくなったら、君のリボンを誰が買うんだろう」という意味。 名曲"Don't Think Twice It's Alright"の元ネタとなった1曲。
-
21:23 Bob Dylan"Don't Think Twice It's Alright"(1963)
「大丈夫だよ、気にするな」という意味。とは言え、フラれたのはBob Dylan自身でした。 『The Freewheelin' Bob Dylan』のB面の1曲目に収録されました。
-
21:29 Bob Dylan"The Death Of Emmett Till"(1962)
リンチをされて亡くなった14歳の少年”Emmett Till”を想って作った1曲。デビュー当時、ラジオ番組『Folksinger's Choice』での演奏音源です。
-
21:37 Bob Dylan"Oxford Town"(1962)
1962年に、James Meredithがアフリカ系アメリカ人として、初めてミシシッピ州立大学に入学すると、この入学を巡って暴動が起きました。そういった出来事を踏まえて作った1曲です。
-
21:40 Bob Dylan"Only A Pawn In Their Game"(January 1964)
James Meredithを支援した、NAACP(全米黒人地位向上協会)ミシシッピ支部のMedgar Eversが暗殺されたことから作られた1曲。直訳は「奴らの作戦の駒でしかない」。
-
21:46 Bob Dylan"The Times They Are A-Changin'"(March 1965)
初期のディランにしては、珍しくピアノで弾いているデモ音源。この曲でいろんな人たちに向かって「時代は変わっていくよ」と訴えかけています。曲とともに”世代を代表する声”として有名になりますが、それは本人の意思とは必ずしも一致するものではありませんでした。次のアルバムからは、政治色が一気になくなっていきます。
※福島県外で聴く場合は、radikoのプレミアム会員への登録が必要になります。放送後は、1週間タイムフリー機能で聴くことができます。
リスナーの皆さんからのテーマのご提案や番組の感想もお待ちしています!
『GOING BACK~音楽と世界~ 』#6 2021/12/11 O.A.
12月11日放送分
#6「Bob Dylanのルーツを探して-前編」
2021年11月から、ふくしまFMでスタートした新番組『GOING BACK〜音楽と世界〜』。この番組では、Peter Barakanが洋楽の黄金時代・1960年代を中心に、歴史に残る数々の名曲を、その時代背景と共に毎週お届けしていきます。
第6回目のテーマは、「Bob Dylanのルーツを探して-前編」。
皆さんは、Bob Dylanという人に、どんな印象をお持ちでしょうか?2016年に「ノーベル文学賞」を受賞したことで、改めて世界的に大きく注目されたBob Dylan。デビューした1960年代以降、ずっと第一線で活躍をしてきた伝説のソングライターです。特に、若い頃のメッセージ・ソングやプロテスト・ソングが有名です。 そんな「Bob Dylanの音楽」を生んだ、育んだのは何なのか?今回は、そのルーツに注目します。
12月11日選曲リスト
-
21:01 Bob Dylan "Song To Woody (Mono Version)"(March 1962)
デビュー・アルバム『Bob Dylan』から、師と仰いでいたWoody Guthrieへ捧げた1曲。Bob Dylanが、ニューヨークへ出てきた一つの大きな目的は、入院中だった自分のヒーローであるWoody Guthrieに会うことでした。
-
21:07 Woody Guthrie "This Land is Your Land"
Woody Guthrieの楽曲の中でも最も有名な曲で、多くのミュージシャンに歌い継がれてきました。大恐慌の時に、Woody Guthrieがアメリカ全国を放浪する中で、見聞きしたことが記された1曲です。アメリカ”第2の国歌”と言う人も。
-
21:12 The Weavers "Goodnight Irene"(1950)
Pete Seegerがメンバーとなっていたフォーク・グループ、The Weavers。Leadbellyの"Goodnight Irene”をカヴァーし大ヒットを記録しました。このThe Weaversらが土台を作り、Bob Dylanがニューヨークへやってきた1961年には、「フォーク・リヴァイヴァル」が本格化していました。
-
21:18 The Clancy Brothers & Tommy Makem "The Wind That Shakes The Barley"
「フォーク・リヴァイヴァル」の中、ニューヨークのグレニッジ・ヴィレッジにあるコーヒーハウスでは、多くのフォーク・シンガー達が毎晩歌っていました。Bob Dylanは、The Clancy Brothersをはじめ、様々なシンガーの影響を受けました。
-
21:24 Blind Lemon Jefferson "See That My Grave Is Kept Clean"(1927)
Bob Dylanは、アメリカの「ルーツ・ミュージック」に注目をしていました。その一つのきっかけを作ったのが、1952年に発表された『アンソロジー・オヴ・アメリカン・フォーク・ミュージック』というLP6枚構成によるBOXセットとの出会いでした。その中の1曲を、デビュー・アルバム『Bob Dylan』でもカヴァーしています。
-
21:28 Bob Dylan"The Cuckoo"(1962)
『アンソロジー・オヴ・アメリカン・フォーク・ミュージック』から、この曲もカヴァーをしていました。オリジナルは、Clarence Ashley "The Coo Coo Bird"です。
-
21:33 Karen Dalton "Katie Cruel"(1962)
当時のグレニッジ・ヴィレッジで歌っていたアーティストの中でも、Bob Dylanが特に高く評価をしていたのがKaren Dalton。12弦ギターと、ネックの長いバンジョーを持ってフォークソングを歌っていました。
-
21:37 Dave Van Ronk "In the Pines"(1959)
Bob Dylanは、グレニッジ・ヴィレッジでDave Van Ronkの影響も受けていました。彼は、バラッド、ブルーズ、ゴスペルなど色んなタイプの楽曲を歌っていました。『Down in Washington Square』に収録されているヴァージョンから。
-
21:42 Joan Baez "House Of The Rising Sun"(1960)
1950年代末頃から”フォークの女王”であったJoan Baezは、Bob Dylanをライブなど色々な場面で紹介をしていました。
-
21:46 Bob Dylan "House Of The Risin' Sun"(1962)
デビュー・アルバム『Bob Dylan』に収録された1曲。のちに、The Animalsがエレキ・ギターを使ったアレンジでカヴァーし、Bob Dylanに大きな衝撃を与えます。
※福島県外で聴く場合は、radikoのプレミアム会員への登録が必要になります。放送後は、1週間タイムフリー機能で聴くことができます。
リスナーの皆さんからのテーマのご提案や番組の感想もお待ちしています!
『GOING BACK~音楽と世界~ 』#5 2021/12/04 O.A.
12月4日放送分
#5「イギリスが愛したモータウン-後編」
2021年11月から、ふくしまFMでスタートした新番組『GOING BACK〜音楽と世界〜』。この番組では、Peter Barakanが洋楽の黄金時代・1960年代を中心に、歴史に残る数々の名曲を、その時代背景と共に毎週お届けしていきます。
第5回目のテーマは、先週に引き続き「イギリスが愛したモータウン-後編」。60年代にヒットを量産し、ブラックミュージック界のスターを数多く輩出したレーベル<MOTOWN>が、当時のイギリス音楽界にどれほどの影響を及ぼしたのか・・・その代表曲とカヴァー曲を聴きながら、解説していきます。
12月4日選曲リスト
-
21:04 The Supremes “Where Did Our Love Go”(June 1964)
モータウンが大ブレイクするきっかけを作った、まさに魔法のようなヒット曲です。 元々は、Holland-Dozier-Holland がThe Marvelettesのために作った楽曲。
-
21:08 The Rolling Stones “Hitch Hike”(1965)
アルバム『Out Of Our Heads』では、Marvin Gayeをカヴァー。
-
21:12 The Who “(Love Is Like A) Heat Wave”
記録的な熱波が続いたデトロイトで、インスピレーションを受けてできた1曲。 The Whoのデビュー・アルバム『My Generation』のデラックス盤に収録されていたヴァージョンで。
-
21:16 The Spencer Davis Group “Every Little Bit Hurts”(February 1965)
モータウンには、アップテンポの楽曲だけではなく、スローでブルーズやジャズに近い曲もありました。オルガンと歌は、当時10代だったSteve Winwood。10代とは、思えない完成度です。
-
21:21 The Action “I'll Keep On Holding On”(1966)
モッズに人気があり、フィル・コリンズが最も好きだったグループの一つでした。オリジナルは、The Marvelettes。
-
21:26 Otis Redding “My Girl”(September 1965)
オリジナルはThe Temptations。イギリスではこのOtis Reddingのヴァージョンが大ヒットしました。「ソウル」という言葉は、この頃から言われるようになりました。
-
21:31 The Isley Brothers “This Old Heart Of Mine (Is Weak For You)”(January 1966)
アメリカよりも、イギリスで売れたモータウンの楽曲もいくつかありました。その一つがこの曲。 ストリングズが使われている点が、イギリス人に受け入れられた一つの要因か?!
-
21:35 The Temptations “(I Know) I'm Losing You”(November 1966)
Rod Stewartは、モータウンが好きで何曲かカヴァーをしています。名盤「Every Picture Tells a Story」でカヴァーしたのがこの曲でした。
-
21:38 Jimmy Ruffin “What Becomes Of The Brokenhearted”(June 1966)
とりわけイギリスで人気が高かった1曲です。この曲を聞くと「海賊ラジオ」のことを思い出します。
-
21:44 The Velvelettes “He Was Really Sayin' Somethin'”(December 1964)
モータウンに所属するグループの中では、珍しく大学を卒業していた3人で構成されていました。そんな3人を担当したのが、後にThe Temptationsのプロデューサーとして有名になるNorman Whitefieldでした。
-
21:49 Junior Walker & The All Stars “(I'm A) Road Runner”(1966)
Holland-Dozier-Hollandの作品で、Junior Walkerのテナー・サックスが効いています。
※福島県外で聴く場合は、radikoのプレミアム会員への登録が必要になります。放送後は、1週間タイムフリー機能で聴くことができます。
リスナーの皆さんからのテーマのご提案や番組の感想もお待ちしています!