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Going Back〜音楽と世界〜 Going Back〜音楽と世界〜

『GOING BACK~音楽と世界~ 』#21 2022/3/26 O.A.

3月26日放送分
#21「フィル・スペクターの世界<第1回>」

第21回目のテーマは「フィル・スペクターの世界<第1回>」。
60年代に「Wall Of Sound」と呼ばれるサウンドで、ヒット曲を量産したレコードプロデューサーのフィル・スペクター。独自の録音方法は、多くのアーティストに影響を与えて、その後のレコーディングの可能性を大きく広げました。晩年は問題を起こすことでしかニュースにならなかった彼ですが、その偉大な功績は、今も色褪せません。そんなフィルスペクターの音楽の世界を3週に渡ってお送りします。

3月26日選曲リスト

  • 21:02  The Top Notes "Twist & Shout"(1961)

    まだまだレコード・プロデューサーとしての知名度がなかったフィル・スペクターが手がけた "Twist & Shout"のオリジナル・ヴァージョンです。この曲はのちに、アメリカでThe Isley Brothersが、世界ではThe Beatlesがカヴァーし、大ヒットしました。

  • 21:07  The Teddy Bears “To Know Him Is To Love Him”(1961)

    フィル・スペクターは、レコード・プロデューサーになる前、自身がメンバーでもあるグループThe Teddy Bearsで “To Know Him Is To Love Him”を発表し、大ヒットさせました。彼が9歳のときに自殺をしたお父さんの墓石に書かれた言葉が、この曲名になっています。

  • 21:13  Ben E. King “Spanish Harlem” (December 1960)

    若い頃のフィル・スペクターは、ソングライター兼プロデューサーだったJerry LeiberとMike Stollerに憧れを抱いていました。レコード・プロデューサーという概念を作り上げたとも言える「Leiber & Stoller」の元に、Lester Sillの紹介でやってきた彼は、ある日、家族の都合で収録スタジオに来れなかったMike Stollerのかわりに、Jerry Leiberと曲を作ります。後にAretha Franklinのヴァージョンも有名になったこの曲です。

  • 21:18  The Crystals “Uptown”(1962)

    Leiber & Stollerの元である程度ノウハウを学んだフィル・スペクターは、Lester Sillと一緒にレーベルを作り、のちに「The Wrecking Crew」と呼ばれる演奏チームを編成し、録音を開始しました。そのレコーディングの中で、おそらく一番最初にヒットした曲が、この曲でした。

  • 21:24 The Crystals “He's A Rebel”(1962)

    この曲のレコーディングをした際、The Crystalsはツアー中でした。そのため、フィル・スペクターはThe Blossomsという別のグループを使って収録を行いました。歌っているのは、The Blossomsの中心メンバーで、後にフィル・スペクターの活動を大きく支える存在になるDarlene Love です。しかし、彼女らの名前はこの曲のクレジットには一切載らず、あくまでThe Crystalsのレコードとして発表されました。

  • 21:27  Darlene Love “ (Today I Met) The Boy I'm Gonna Marry”(1963)

    “He's A Rebel”の発表後、Darlene Loveはフィル・スペクターと契約することになりました。この曲は、Darlene Loveのソロ名義で1963年に発表された1曲です。曲名を直訳すると「私が結婚することになる人と、今日会っちゃった」という意味になります。

  • 21:33  The Crystals “Da Doo Ron Ron”(1963)

    Jeff BarryとEllie Greenwichが作詞作曲を担当し、フィル・スペクターがプロデュースした1曲です。この曲に対して自信をもっていたフィル・スペクターは、プレイバックの音を聞いて「このスピーカーから出てくる音は、純金だよ」という言葉を残しています。

  • 21:36  The Ronettes “Be My Baby”(August 1963)

    “Da Doo Ron Ron”に続いて、フィル・スペクター・サウンドの象徴的な曲が立て続け発表されました。当時、この曲を運転中に聴いたThe Beach BoysのBrian Wilsonは、「すぐに車を路肩に止めないといけない」と思ったくらいの衝撃を受けたそうです。

  • 21:40  The Crystals “Then He Kissed Me”(July 1963)

    The Ronettes “Be My Baby”と同時期に、大ヒットを記録した1曲です。

  • 21:45  Darlene Love “Christmas (Baby Please Come Home)”(November 22, 1963)

    1963年11月22日に発売された、フィル・スペクターが手掛けたアルバム「A Christmas Gift for You from Phil Spector」に収録されている1曲です。The Ronettes、The Crystals、Bob B. Soxx & the Blue Jeans、Darlene Loveなど、彼のレーベルに所属していた人たちが参加した作品で、クリスマス・アルバムとして伝説のレコードとなってます。しかしこの発売日に、ケネディ大統領が暗殺された為、アメリカ全土でクリスマス・ムードが吹っ飛んでしまい、レコードは一時回収されてしまいました。

  • 21:48  Darlene Love “A Fine, Fine Boy”(1963)

    Darlene Loveが1963年にシングルとして発表し、のちにBruce Springsteenがライブでカヴァーしたことでも有名な1曲です。

※福島県外で聴く場合は、radikoのプレミアム会員への登録が必要になります。放送後は、1週間タイムフリー機能で聴くことができます。

リスナーの皆さんからのテーマのご提案や番組の感想もお待ちしています!

2022.03.26(土) 21:55

『GOING BACK~音楽と世界~ 』#20 2022/3/19 O.A.

3月19日放送分
#20「公民権運動と音楽<第3回>」

第20回目のテーマは「公民権運動と音楽<第3回>」。
1週目の放送では、公民権運動が本格化する前の時代を。2週目の放送では、「ワシントン大行進」や「公民権法」の制定など、運動が本格化する時代と関連する音楽を取り上げてきました。最終回となる今週は、法整備が進む一方で、南部の差別主義者による反発が起きた時代の音楽を取り上げていきます。

3月19日選曲リスト

  • 21:02  The Impressions "People Get Ready"(1965)

    Curtis Mayfieldがリーダーを務めていたThe Impressionsから、1965年に発表された楽曲。「切符がいらない列車に乗りましょうよ」という[自由への鉄道]をイメージした希望に満ちた1曲です。

    21:08  John Coltrane “Alabama”(1963)

    1963年9月15日、アラバマ州のBirminghamの公民権運動の拠点16th Street Baptist Church(16番通りバプティスト教会)で、K.K.K.のメンバーによる爆破事件が発生し、日曜学校に来た黒人女子小・中学生4人が死亡しました。この事件の2ヶ月後にJohn Coltraneが録音した1曲です。

  • 21:15  Nina Simone “Mississippi Goddam” (1964)

    50年代からプロの歌手としてレコードを出していたNina Simone。それまで政治的な内容の曲を歌うことはありませんでしたが、NAACP(全米黒人地位向上協会)ミシシッピ支部のMedgar Eversが殺されたこととBaptist Church爆破事件を受けて、彼女の気持ちが変わりました。曲名の“Mississippi Goddam”には、彼女の抑えきれない怒りの気持ちが込められています。

  • 21:25  Malcolm X “No Sell Out [7" Promo Vocal Version]”(1983)

    1983年にKeith LeBlancが、1965年に暗殺されたMalcolm Xの言葉を使ってまとめ上げた、初期のヒップホップです。Malcolm Xは、今でこそ公民権運動に欠かせない一人と考えられていますが、当時の白人には、暴力主義者や煽動家のようなイメージで解釈されていました。

  • 21:32 The Staple Singers “Why (Am I Treated So Bad)”(1965)

    1957年にアーカンソー州リトル・ロックで起きた「リトル・ロック高校事件」を受けて作られた1曲です。

  • 21:37  The Staple Singers “When Will Be Paid For The Work We Did”(1969)

    曲名を直訳すると「いつなら代金をいただけるんでしょうか?」、、、ここでいう「代金」とは具体的な仕事に対する給料の支払いという意味だけではありません。アフリカから連れられてきた黒人たちが「奴隷とされたその瞬間から現在までの間の報酬の支払いをまだ待ってるよ。」というような含みを持った曲です。

  • 21:41  Marvin Gaye “Abraham, Martin & John”

    暗殺されたリンカン大統領、キング牧師、ケネディ大統領。3人のことを歌った有名な1曲で、最初に1968年から69年にかけて白人歌手のDionがヒットさせ、その後、Marvin Gaye、Smokey Robinsonなどのヴァージョンも発表されました。徹底した非暴力を貫いてきたキング牧師が暗殺されたことがきっかけで、多くの人たちが失望し、その後の公民権運動の質は大きく変化していくことになりました。

  • 21:46  The Oscar Peterson Trio “Hymn to Freedom”

    1963年に発表されたアルバム『Night Train』収録曲で、直訳すると「自由への讃歌」という意味になります。超絶技巧で有名なOscar Petersonですが、ここではNegro Spiritual(黒人霊歌)の雰囲気を出した演奏が聞けます。

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2022.03.19(土) 21:55

『GOING BACK~音楽と世界~ 』#19 2022/3/12 O.A.

3月12日放送分
#19「公民権運動と音楽<第2回>」

第19回目のテーマは「公民権運動と音楽<第2回>」。
先週の放送では、公民権運動が本格化する前の時代を振り返りました。今週は、「ワシントン大行進」や「公民権法」の制定など、運動が本格化する時代と関連する音楽を取り上げていきます。

3月12日選曲リスト

  • 21:02  Mahalia Jackson "We Shall Overcome"(1963)

    とても有名な歌で無数の人たちに歌い継がれていますが、中でもこのMahalia Jacksonのヴァージョンは特別です。彼女はキング牧師と仲良くしていて、彼の活動に同行する機会が何度もありました。1963年8月28日に行われた「ワシントン大行進」では、約20万人の民衆の前でキング牧師が有名な演説をした後、彼女が”We Shall Overcome”を歌い、その場にいた誰もが、もう取り憑かれたように聞いていたそうです。元々は労働組合の集まりなどでも歌われていた曲でしたが、この「ワシントン大行進」を経て公民権運動との関わりが一層深くなりました。

  • 21:07  Martin Luther King Jr. “Address to Civil Rights Marcher”(1963)

    1963年8月28日の「ワシントン大行進」の中でキング牧師が行った演説の一部です。 この演説してるときに、彼の近くに座って聞いていたMahalia Jacksonが「マーティン、夢に関して語りなさいよ!」と叫んだそうです。おそらく「夢」というのは、あの有名な「I Have a Dream」の部分のことでしょう。残念ながら音源から彼女の声を聞くことができませんが、演説の舞台裏でのそんな二人のやり取りを想像すると…ワクワクしてきませんか?

  • 21:11  Bobby Womack “American Dream” (1984)

    Bobby Womackが1980年代に発表したアルバム『The Poet II』に収録されているキング牧師の演説の一部を使った曲です。先ほどの「I Have a Dream」の演説から遡ること2年前・1961年に、ペンシルヴァニア州にあるリンカン大学で行われた演説の一部が使われています。

  • 21:17  Barbara Dane “Only a Pawn in Their Game”

    この番組の「ボブ・ディランのルーツを探して(2021/12/18放送)」の回で、NAACP(全米黒人地位向上協会)ミシシッピ支部のMedgar Eversという黒人の活動家が殺されたことを歌った1曲としてご紹介をした “Only a Pawn in Their Game”。実は、Bob Dylan自身が録音する前に、Barbara Dane が歌っていました。

  • 21:25  The Staple Singers “Blowin In The Wind”(1963)

    Bob Dylanの楽曲を、黒人アーティストとして初めてカヴァーしたのがThe Staple Singersでした。Bob Dylan自身が、The Staple SingersのMavis Staplesにすごく魅力を感じて、プロポーズした、という有名な話もあります。

  • 21:30  Sam Cooke “A Change Is Gonna Come”(1964)

    1964年に発表したアルバム『Ain't That Good News』に収録。Bob Dylan の“Blowin'In The Wind”に触発されたことや、黒人ミュージシャンとしてアメリカ南部をツアーで回るときに感じた差別への抵抗意識、不慮の事故による息子の死など、Sam Cooke自身が様々な経験をして書き上げた1曲です。

  • 21:36  Fannie Lou Hamer “This Little Light of Mine”(1963)

    60年代の公民権運動のときに、大変な活動をした人たちが何人もいました。そのうちの一人が、1917年にミシシッピの小作農家で生まれ育った黒人女性のFannie Lou Hamerです。特に、投票権の獲得のために最後の最後まで活動をし続けた人です。彼女はプロの歌手ではありませんでしたが、子供の頃から母親や祖母に聞かさせれていたゴスペルの曲を歌っている音源が作品として発表されました。

  • 21:43  The Staple Singers “The Freedom Highway”(1965)

    The Staple Singersが、1965年3月にあった事件「セルマの行進」について触れた1曲で、教会で行ったライブ録音の音源です。「セルマの行進」とは、アラバマ州にあるセルマという町から、州都のモンゴメリに向けて87kmあるハイウェイを、大勢の人たちが歩いて投票権を主張する抗議デモでした。この大行進は3回行われましたが、特に1回目の行進では、警察隊に徹底的に弾圧されて大変な暴力沙汰になりました。

  • 21:47  Grant Green “Selma March”(1965)

    こちらも “Selma March”の曲名通り、「セルマの行進」について触れた1曲です。1965年に発表されたアルバム『His Majesty, King Funk』に収録。

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2022.03.12(土) 21:55

『GOING BACK~音楽と世界~ 』#18 2022/3/5 O.A.

3月5日放送分
#18「公民権運動と音楽<第1回>」

第18回目のテーマは「公民権運動と音楽<第1回>」。
今週は、公民権運動が本格化する前の時代に、自由の国・アメリカで「自由と平等」を訴えてきた黒人達の叫びと音楽を、じっくりと紐解いていきます。

3月5日選曲リスト

  • 21:02  Manhattan Harmony Four "Lift Every Voice And Sing"(1923)

    ”黒人の国歌”とも呼ばれている賛美歌で「暗い過去からの経験を活かして自由に向かって歩み続ける」という内容の歌です。19世紀の終わり頃に作曲、最初に歌われたのは1900年と言われていて、現在も様々なヴァージョンで歌われ続けています。アメリカ社会の一番大きな問題は、昔も今も「人種問題」と言っていいと思います。

  • 21:08  Oscar Brown Jr. “Forty Acres And A Mule”(1965)

    1865年の南北戦争終結後の「Reconstruction(再建)」とも呼ばれる短い時代。奴隷から解放されたアフリカ系アメリカ人には”40エーカーの土地”と”ロバ1頭”を与えることになっていました。しかし、その約束は果たされず…その事についてOscar Brown Jr.が歌った1曲です。

  • 21:14  Lead Belly “Jim Crow Blues” (1930s)

    南北戦争終結後、アメリカ南部では「ジム・クロウ法」(1876年から1964年にかけて存在)と呼ばれる、人種隔離の法制度が出来上がります。その厳しい人種隔離制度の中で生活をしないといけない人たちについて、1930年代に Lead Bellyが歌った1曲です。

  • 21:18  Billie Holiday “ Strange Fruit”(1939)

    1950年代頃までアメリカ南部では、黒人へのリンチも続いていました。そのリンチの様子を、かなりグロテスクに描いたBillie Holidayの有名な1曲です。曲名を直訳すると「奇妙な果実」。当時、この曲を歌っていたBillie Holidayについて取り上げている映画『The United States vs. Billie Holiday』も、ぜひ一度ご覧ください。

  • 21:25  Emmylou Harris “My Name Is Emmett Till”(2011)

    1955年の夏、ミシシッピで当時14歳だったアフリカ系アメリカ人の少年Emmett Tillが、3人の白人の男たちに無惨に殺されてしまうリンチ事件が起きました。逮捕された3人は裁判にかけられたものの、陪審員が全員白人だったこともあり、無罪となります。しかし、Emmett Tillの母親は、殺された息子の写真を新聞社に渡し、このリンチ事件の悲惨さを世の中に訴えました。結果的に、アメリカ全土のみならず、世界的にもこの事件はスキャンダルとなり、アメリカ政府も対応の仕方を変えざる得なくなりました。この出来事について、Emmylou Harrisが歌った1曲です。

  • 21:32  Neville Brothers “ Sister Rosa”(1989)

    同じく1955年12月、アラバマ州モンゴメリーのバスで、Rosa Parksが白人に席を譲ることを拒んで逮捕される事件がありました。その逮捕に対し、当時はまだ有名でなかったMartin Luther King牧師が先頭に立って、モンゴメリーのバスをボイコットする運動を始めます。このRosa Parksについて、Neville Brothersが1989年に取り上げた1曲です。

  • 21:37  The Staple Singers “ Swing Down Chariot”(1950s)

    公民権運動が本格的に始まるのはどこなのか。この問いに対して、公立学校での人種差別を違憲とした、1954年の「ブラウン対教育委員会裁判」を挙げる人が多くいます。こうした時期に、公民権運動の勢いを支えたグループの一つがThe Staple Singersでした。

  • 21:42  Harold Jackson & The Jackson Brothers “The Freedom Riders”(1961)

    1960年代初頭に、州境を何度も越えるような長距離バスで人種差別を撤廃すべきと主張していた人たちによって「フリーダム・ライド」という運動が始まります。バス・ターミナルやトイレなど…全てが【白人用】と【非白人用】に分けられたていた風習に対して抵抗する運動として広がり、その様子をHarold Jackson & The Jackson Brothersが歌った1曲です。

  • 21:45  Coleman Hawkins “Driva Man”(1961)

    Max RoachとOscar Brown Jr.の二人が中心になったアルバムで「Driva Man=奴隷遣い」に対する憎悪を歌った曲です。

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2022.03.05(土) 21:55
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