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『GOING BACK~音楽と世界~ 』#41 2022/8/13 O.A.
8月13日放送分
#41「ELVISという時代<第3回>」
第41回目のテーマは「ELVISという時代<第3回>」。【史上最も成功したソロアーティスト】、【キング・オブ・ロックンロール】と呼ばれた…Elvis Presley!最終回となる今回は、ゴスペルやスタンダードなど、ジャンルの幅を広げ、再び脚光を浴びる時代の音楽を取り上げます。
8月13日選曲リスト
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21:00 Elvis Presley “Trouble/Guitar Man”(December 1968)
『'68 Comeback Special』として知られているテレビの特番を収録した音源から、2曲メドリーです。軍隊から戻ってきたElvisにとっては、7年ぶりのライヴで、収録の際、Tom Parkerの意向に珍しく反発し、自分の好きなロックン・ロールを久しぶりにやることにしました。結果的に視聴率が非常に良かったこともあり、カッコいいElvisのイメージを取り戻すきっかけにもなりました。
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21:06 Elvis Presley “In The Ghetto”(April 1969)
Elvisには珍しいメッセージ・ソングです。楽曲を作ったのは、テクサスのシンガー・ソングライターのMac Davisで、この曲で言う「Ghetto」は「貧民街」という意味で使われています。Tom Parkerは、「政治的な意味合いを持つ歌は、誰かを敵に回すことになる。」と言って、この曲の発売に抵抗しましたが…Elvisは自分の意志を貫いた結果、大ヒットを記録しました。
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21:12 Elvis Presley “Suspicious Minds”(January 1969)
「Caught in a trap(=罠にはまって)」という歌詞が何度も出てくる、映画『Elvis』の中でも大きな意味合いを持って聴かせている1曲です。楽曲を作ったのはMark James、プロデューサーはChips Momanが務め、数々のヒット曲を生み出していたAmerican Sound Studioで収録されました。
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21:18 Elvis Presley “I'm Movin' On”(June 1969)
Tom ParkerがElvisを担当する前にマネジャーをしていたHank Snowというカナダのカントリー・シンガーの楽曲をカヴァーしたものです。この曲は、ElvisがSun Recordsに所属していた時以来、久しぶりにメンフィスでレコーディングを行いました。ちなみにHank Snowのオリジナル・ヴァージョンは、50年代にRay Charlesもカヴァーをしていて、さらにRayのヴァージョンを、初期のThe Rolling Stonesもカヴァーしています。
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21:23 Elvis Presley “Stranger In My Own Home Town”(1970)
ルイジアナの”ブルーズ界の詩人”とも呼ばれているPercy Mayfieldが作った曲を、1969年のメンフィス・セッションでカヴァーをしたものです。こうした渋いR&Bの楽曲をカヴァーしていることからも、Elvis自身が幅広いジャンルの音楽を聴いていたことがわかります。
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21:28 Elvis Presley "True Love Travels On A Gravel Road”(June 1969)
タイトルを直訳すると、「本当の愛は、砂利道を走るものなんだ。」となります。要するに、”必ずしもスムーズではない”という、いかにもカントリーらしい楽曲をカヴァーしたものです。この曲は、のちにNick Loweもカヴァーすることになります。
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21:32 Elvis Presley “Polk Salad Annie”(August 1970)
オリジナルは、ルイジアナの極めて貧しい所で育ったロックン・ロールシンガー(あるいは、シンガー・ソングライター)のTony Joe Whiteです。「Polk Salad」とは、何度も煮ないとアクが抜けない野菜のサラダのことで、当時は極端に貧しい人以外は口にすることがない食べ物でした。Elvisがラス・ヴェガスで行ったライヴ・ヴァージョンで。
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21:38 Elvis Presley “Burning Love”(August 1972)
Elvisにとっては、最後にトップテン入りを果たしたヒット曲です。オリジナルを歌うのは、初期の頃からマスル・ショールズを拠点に活動していたシンガー・ソングライターのArthur Alexanderです。このArthur Alexanderは、自身が発表した曲をThe Beatles、The Rolling Stones、Bob Dylanが取り上げているという、唯一の人です。
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21:42 Elvis Presley “You Don't Have To Say You Love Me”(October 1970)
Elvisは、バラードでも、いくつか有名な曲を発表しています。元々はイタリア語の曲を、1960年代の半ばに英訳し、Dusty Springfieldが歌って大ヒットを記録した楽曲を、1970年にカヴァーして、世界的な大ヒットになりました。日本では『この胸のときめきを』という邦題で、1971年にベスト・セラーになりました。
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21:45 Elvis Presley “Always On My Mind”(October 1972)
奥さんのPriscillaと別れた直後に、「壊れた恋愛関係を後悔する」ようなニュアンスのバラード曲を録音したことから、Priscillaのことを考えて作ったのでは?という声もありましたが、実際は別れる前に作曲されたものでした。しかしながら、Elvisの頭にPriscillaとの未来を案じているところは…あったのかもしれません。
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21:50 Elvis Presley “An American Trilogy”(April 1972)
ナシュヴィルのシンガー・ソングライターのMickey Newburyが、アメリカにおける3つのトラディショナルな曲【”Dixie"というフォーク・ソングのようなもの】、【南北戦争のときの歌"The Battle Hymn of the Republic"】、【カリブ海の子守唄"All My Trials"】を組み合わせたものを、Elvisがカヴァーした1曲です。
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