PROGRAM ARCHIVE番組アーカイブ
『GOING BACK~音楽と世界~ 』#42 2022/8/20 O.A.
8月20日放送分
#42「Surf Sounds特集<前編>」
第42回目のテーマは「Surf Sounds特集<前編>」。主にギターのインストゥルメンタルから始まったこの音楽は、1960年代に入るとThe Beach Boysなどによって、歌もののポップ・ソングとしても、大ヒットしていきます。今回から2週にわたっては、この西海岸で流行したSurf Soundsを一気に聞いていきます。
8月20日選曲リスト
-
21:01 Dick Dale & The Del-Tones “Miserlou”(1962)
Surf Sounds特集と言ったら…やっぱりこの曲から始まります。映画『Pulp Fiction』を連想する人も多いかと思いますが、1962年の楽曲です。1950年代のカリフォルニアで生活をしていたDick Daleは、自身もサーファーをやりながら、サーファーが集まる場所でバンド活動をしていたことから、こういったサウンドが「サーフ・ロック」と言われるようになりました。
-
21:06 The Revels With Barbara Adkins “Church Key”(November 1960)
曲名を直訳すると「教会の鍵」になりますが、これは当時の缶ビールの「缶切り(缶オープナー)」の形状を喩えた表現でした。よく聴くと、缶ビールを開ける音が入っています。缶ビールを煽りながら、砂浜で踊ってるサーファーたちの姿が、なんとなく思い浮かびます。
-
21:09 Belairs “Mr. Moto”(1961)
初期のサーフ・ロックの中で、かなり有名なグループの一つがこのBelairsです。フラメンコ風のギターが、なかなか面白い1曲です。
-
21:12 The Mar-Kets “Surfer's Stomp”(1962)
The Mar-Ketsは、スタジオ・ミュージシャン達が集まって演奏をするグループでした。彼らは、後にThe Wrecking Crewと呼ばれるようになった人たちで、Phil Spectorがプロデュースするレコードや、The Beach Boysのレコードで演奏したことで世界的に有名になっていきました。
-
21:15 The Beach Boys “Surfin'”(November 1961)
1961年に発表された、The Beach Boysのデビュー・シングルです。Brian、Carl、Dennisの3人兄弟の中で、サーフィンを実際にやっていたのは…Dennisだけでした。しかし、サーフィンは当時の若者の間で人気だったことから、Dennisがほかのメンバーを説得して作られた1曲です。
-
21:19 The Beach Boys "Surfin' Safari”(June 1962)
約5万枚ほど売れたデビュー曲“Surfin'”の発表から1年後に発表された曲。全部で90万枚近い売り上げを記録し、ここからThe Beach Boysの人気が本格的になりました。
-
21:22 The Sentinals “Latin'ia”(1962)
1962年頃には、インストゥルメンタルでも有名な楽曲がいくつか誕生しました。この “Latin'ia”は、有名というよりも個性的な仕上がりの曲で、ラテンの雰囲気が強く出ています。こうしたインストゥルメンタルを演奏するグループは、1950年代頃からイギリスやアメリカの各地でもありましたが、The Sentinalsはカリフォルニアで活動をしていたことから「サーフ・ミュージック」と呼ばれるようになりました。
-
21:26 The Chantays “Pipeline”(1962)
Pipelineとは、サーフィン用語の一つで「完璧な波(丸い形)のチューブの中を、サーファーが走ること」を意味します。当時、イギリスではThe Chantaysによるオリジナル・ヴァージョンがヒットをしましたが、日本ではThe Venturesによるカヴァーで知られています。こうしたギターの細かいピックさばきは、「サーフ・ロック」の一つの大きな特徴でした。
-
21:29 The Surfaris “Wipe Out”(January 1963)
Wipe Outも「サーフ・ボードから落ちること」を意味するサーフィン用語の一つで、こちらもサーフ・ロックのヒット曲として知られています。
-
21:33 The Beach Boys “Surfin' USA”(March 1963)
The Beach Boysで初期の頃にギターを担当していたDavid MarksとCarl Wilsonは、ある日、Carlが買ってきたアルバム『Chuck Berry Is on Top』を聴いてすぐに虜になりました。そして、そのサウンドをBrianに聞かせると、彼もリズム感に興味を持ち、結局その中の "Sweet Little Sixteen"に歌詞を付け替えた形で “Surfin' USA”が作られました。
-
21:38 Jan & Dean “Surf City”(May 1963)
“Surfin' USA”を発表した頃にBrian Wilsonが書きかけていた曲に、彼の友人だったJan Berryが歌詞をのせて完成させた1曲です。
-
21:42 Jack Nitzsche “The Lonely Surfer”(1963)
Jack Nitzscheは、アレンジャーとしてPhil SpectorのWall Of Soundに深く関わった人として有名ですが、彼は1960年代の初頭から、ソングライターとしても活動していました。The Searchersで有名な"Needles and Pins"も彼が作った曲です。
-
21:45 The Sandals “Theme From "Endless Summer"”(1966)
1966年に公開された、サーフィンを描いた記録映画『The Endless Summer(終りなき夏)』のテーマ・ソングとして知られている曲です。
-
21:49 Trade Wind “New York's A Lonely Town”(February 1965)
西海岸のカリフォルニアから、東海岸のニューヨークに移住したサーファーが、「東海岸では誰もサーフィンをしていなくて、実に寂しい思いをしている…。」という心情を歌った1曲です。
-
21:51 The Ventures “Walk, Don't Run '64”(1964)
元々1960年にヒットさせていた"Walk, Don't Run"を、1964年に再録音したヴァージョンです。こちらは、Dick Daleのサウンドを意識した作りになっていることから、サーフ・ロックとして括られるようになりました。
※福島県外で聴く場合は、radikoのプレミアム会員への登録が必要になります。放送後は、1週間タイムフリー機能で聴くことができます。
リスナーの皆さんからのテーマのご提案や番組の感想もお待ちしています!